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2軍通信プラス

文豪ノ途

第157回芥川賞・直木賞の決定が近づいています。

図書館では「芥川賞・直木賞」の候補作や候補作家の他著作などを集めた特集コーナーを用意しています。候補作はすでに予約多数になっているため、すぐに貸出するのはむずかしいのですが、この機会に、いままで読んだことのない作家に触れてみたり、どの作品が受賞するのか予想しながら読んでみたり、いろいろな楽しみに活用してくださいね。

特集コーナー

「芥川賞」「直木賞」は、正しくは「芥川龍之介賞」「直木三十五賞」といいます。

文藝春秋社を創設した作家・菊池寛が、親交のあった二人の作家の名前を冠して設立した文学賞です。芥川賞は純文学を、直木賞は大衆小説を対象にして、年2回、授賞作が決定されます。受賞した作品の売上は跳ね上がり(図書館での予約も跳ね上がり)作家の知名度が一気に高まります。

文壇や出版業界だけに限らず広く世間にまで影響が及ぶこともあります。1950年代には、選考委員の賛否両論の中で芥川賞を受賞した石原慎太郎『太陽の季節』に始まる「太陽族」のブームが起きました。映画にハマって「慎太郎刈り」にしたことがある方もいらっしゃるのでは? やはり芥川賞を受賞した又吉直樹『火花』が爆発的な売り上げを記録し、映画やドラマ化が続いたのも記憶に新しいです。

そんな両賞だけに選考にまつわる話も多いのですが、もっとも有名なのは芥川賞と太宰治のエピソードでしょうか。

太宰治といえば、おそらく知らない人のほうが少ない、いわゆる「文豪」のひとりです。
「走れメロス」「人間失格」「斜陽」「女生徒」「晩年」などなど、図書館にも著作がたくさんあります。

ノートの余白に芥川龍之介の名前を書き連ねてしまうくらいの芥川崇拝者だった太宰は、自分が選ばれると思っていた第1回芥川賞での落選がわかると、否定的な選評をした選考委員の川端康成を「刺す」とまで書いて恨みました。また、自分に好意的な評価をしてくれた佐藤春夫や、一度は「刺す」と恨んだ川端に「どうしても芥川賞が欲しい」と懇願する手紙を送っています。2015年に佐藤宛ての手紙が発見されました(NHK「かぶん」ブログ“太宰治が芥川賞懇願する手紙見つかる” )が、中には長さ4メートル(!)の手紙もあったとのことで、驚くべきというか…ドン引きというか…

結局、太宰は最後まで芥川賞を受賞できませんでした。それでも、彼の作品の愛読者はとても多く、先の又吉直樹も、自分にとって小説の世界でのスターは太宰であると公言しているファンのひとりです。受賞できなかったことが太宰の作品を高めた、という説もあります。

賞に左右される作家もいる一方で、太宰同様、受賞していなくても有名かつ人気のある作家もたくさんいます。

芥川賞では村上春樹、高橋源一郎、島田雅彦などが、直木賞では、筒井康隆、北方謙三、横山秀夫、伊坂幸太郎などが候補に挙がりながら受賞していません。どの作家も新刊が発売されればベストセラーに名を連ね、図書館の予約ランキングでも上位に並ぶ人たちです。

ちなみに、横山秀夫は選評に関連して直木賞との決別宣言をしていますし、伊坂幸太郎は「執筆に専念したい」という理由で、直木賞候補にされることそのものを辞退しています。また、島田雅彦と北方謙三は、自身は受賞したことがないまま各賞の選考委員をつとめています。

文壇って…なんだか不思議でおもしろい世界ですね…
文学が人の思想や感情を表したものだからこそ、さまざまな葛藤や衝突が生まれるのかもしれません。

そんな芥川賞と直木賞の歴代受賞作はもちろんですが、作家本人や両賞についての本も(芥川賞がやや多めですが)ありますので、紹介しておきますね。

『それぞれの芥川賞直木賞』豊田健次/文藝春秋/2004年
『芥川賞を取らなかった名作たち』佐伯一麦/朝日新聞出版/2009年
『芥川賞の謎を解く 全選評完全読破』鵜飼哲夫/文藝春秋/2015年
『芥川賞の偏差値』小谷野敦/二見書房/2017年

両賞の元になった二人の作家についての本もあります。

『芥川龍之介 生誕120年』関口安義・編/翰林書房/2012年
『直木三十五伝』植村鞆音/文藝春秋/2005年





スタンプラリーのポスター(部分)

…………ん?

これは、いま手元に届いた今年のスタンプラリーのポスターなのですが…
どうやらこちらも文学をめぐるおはなしになりそうですよ?

小学生対象のスタンプラリーは、今月15日から受付開始です!(突然の宣伝)


(更新日:2017年7月4日)

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